夏の思い出

俺もね、何もこの夏、異性との出会いが無かった訳やないんですよ。友達があまりにも俺が可哀想やからって女の子と一緒に飲みに行くチャンスを作ってくれたんですよ。相手はなんと２３歳。６つ下やから会話も合わへんかなと思って必死で頑張ったんですよ。テンション上げて自己紹介からボケて頑張った甲斐あってまあまあ場の雰囲気は良くなってきてると思ってたんですよ、彼女があんな事を言うまでは。その子が「水谷さんっていくつなん？」って聞いてきたんですよ。俺１８の時にバイト先の店長から「お前はどう見ても２５歳ぐらいにしか見えん」って７つ老けて見えるってことを淡々と言われてからこの質問が怖かったんですよ。しかし２５歳もとっくに過ぎて年齢が見た目に追い付いてきてるかなって思って勇気出して「２９やで」って答えたんですよ。ほんなら彼女「嘘マジで！！もっと下かと思った！！」と、まさかのナイスリアクションしてくれたんですよ。正直メッチャ嬉しくてそれ言われたことだけでその子のこと好きになりそうでした。しかし次の彼女が言った言葉に俺は阪神の藤川のフォーク並みにに落ちていきました。彼女は「だってその落ち着きの無さ
で２９はヤバいって。もっと落ち着いた方がええで！！」やって。ほんまドツキ回したろか思いましたわ。お前、俺静かにおとなしくしてたら絶対「怒ってるん？」とか聞いてくるやんけ。俺も確かに空回りするぐらいはしゃいじゃってたで。だって楽しい夏にしたいもん。そんなこと言われたらもう会話も弾みませんわな。その子とはメールアドレスも聞けずサヨナラしました。そろそろ俺の頭の中で森山直太朗の「夏の終わり」がかかりだしてきましたがまだまだ夏は終わらせん！！